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元予備校講師のフリーターによる『英文解釈教室』教室

『英文解釈教室』(伊藤和夫先生/研究社)の解説ブログ。当ブログはゼロから理詰めで解説を積み上げて行くスタイルではないので、英文法や英語構文の勉強をある程度以上やっている方でないと、訳がわからないかも。

★ Chapter1:p.2の参考コーナーの例文 の巻

<参考>
The want of time you will feel...

「参考」のコーナーに、この英文を置いたのは、
例文1.1.3に続いて、「主語に関する文頭での暫定判断が
間違っていることになるケース」の例文を、もうひとつ読者に
お見舞いするためだろう。

The want of time(厳密にはwant)という文頭の名詞に対して
you will feelという SVがコンマなしで続いているので、
「関係代名詞の省略」を検討する所だが
(『解釈教室』p.118参照/『ビジュアル英文解釈』のルール6/
『ルールとパターンの英文解釈』のルール7)、その解釈だと
主節の動詞がないことになるので、OSVに解釈を変更する。

「NSV構造」を見たら、「関係代名詞の省略」だけでなく「OSV/
OSVC」も可能性として浮かべるようにしておくといいだろう。
「後に目的語のない(ように見える)他動詞か前置詞がある」と
いう点では、実はどちらの場合でも同じである、ということにも
注目しておいてほしい(伊藤先生のルールの「それが正しい
ことになる」という文言の揚げ足とりをしているようで恐縮
だけど)。なお、「関係代名詞の省略」の方が「OSV/OSVC」より
も頻度の面では圧倒的に上なので、「NSV構造」を見たら、
まずは「関係代名詞の省略」を浮かべて、どうもおかしい場合に
「OSV/OSVC」を検討するという感覚でいるといいと思う。

なお、この例文の後半のevery yearは、例の
「副詞的目的格」あるいは「名詞の副詞用法」。
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★ Chapter1:例文1.1.3 の巻

<1.1.3>
One...morning, a great many years ago,
five or six young men met...

One fine spring morning は、名詞のくせに、主節の動詞に
かかる副詞の働きをしている。このような名詞について、
『解釈教室』の解説の中で「副詞的目的格」という文法用語が
紹介されているが、むずかしそうだと感じる人が多い用語かも
しれない。「副詞的」という部分は「副詞のような働きをする
から」ということでわかりやすいが、「目的格」と呼ぶのはなぜ
か。真相は知らないが、「理論上想定される目に見えない前置詞
の目的語の位置にいる名詞なのだから、理論上この名詞は目的格
のはずだ」という考えからのことだと思う。『解釈教室』の112
ページに、副詞的目的格の簡潔な例文があるので見ておくといい
だろう(同書2ページの「→6-4」という指示は少しわかりにくい
と思うけど、112ページのChapter6の(4)を指している)。

なお、この用法の名詞を説明するときに、「副詞的目的格」とい
う文法用語は使わずに、「名詞の副詞(的)用法」という用語を
使う人も多いと思う。この呼び方をしておくと、「名詞の形容詞
用法」(<population growth 人口増加>のpopulationが一例。
名詞のくせに、後ろの名詞を修飾している。)という文法用語と
のつりあいもいいし。私自身はどちらの用語も授業中に説明する
ようにしていたけど、ふだんは「名詞の副詞用法」と呼ぶことが
多かったと思う。

さて、Chatper1の3つ目の例文となるこの位置にこの英文を
載せた筆者伊藤先生の意図はいかに。
あなたはこう思われたかもしれない。
「おかしい、、、おかしいぞ。このChapter1の(1)と(2)では
(わかりにくくても、こういう書き方しかできないのは、「わか
りやすい呼び名がないから」。「セクション1」とか「第2部」
とか、「呼び名」があった方がなにかと便利。)、S...V(「エス
てんてんてんブイ」だと呼びにくいから「エスエムブイ」と呼ぶ
ことをすすめたい)がテーマのはずなのに、なぜこの位置にいき
なりMSV構造(詳細にはMMSV構造)の例文を置いたのだろう。。。
なぜだ。。。」

この位置にこのMSV構造の例文を置いた理由は
おそらく以下のようなことであると思う。
(「もったいつけて書くまでもないほど明白なことだ」
といわれれば、そのとおりなんだけど)

『解釈教室』2ページの冒頭の太字部分で、伊藤先生は、
「文頭の前置詞のついていない名詞を主語と暫定(ざんてい)
判断した上で動詞を探していく」ことを英文解釈の基本方針とし
て説かれた。そして例文1.1.1と1.1.2で、「主語に関する文頭で
の暫定判断が正しいことになるケース」を扱った。そして、
そろそろこの辺りで、「主語に関する文頭での暫定判断が間違っ
ていることになるケース」を見せるべきだと思われたのだろう。
そこで使われたのが、このOne fine spring morningではじまる
例文だったのである。ここで、たとえばIn the houseのような、
前置詞ではじまる例文がくることはありえないのだ。なぜなら、
ここでの伊藤先生の意図は、決して「MSV構造の例文を読者に示す
こと」ではないのだから。あくまで、「文頭の名詞要素が実は
主語ではないことが後ではっきりする例文」を示す必要がある。
そのためには、<前置詞のついていない名詞>が文頭にある例文
でないと意味がないのだ。

★ Chapter1:例文1.1.2 の巻

<1.1.2>
Anyone [ having difficulty in... ] may have...

また出た。。。「SMV構造」。
主語と動詞の間にM(修飾要素/modifierの頭文字)が割って入る
形。今回はMが「現在分詞の形容詞用法」になっている。

(ここから先は半分冗談で書くので、あまり気にしないでいい)

ここで視点をもうすこしミクロ的にして、
Anyone [ having... の部分のことを、
「N -ing(エヌアイエヌジー)構造」と呼んでみるのも面白い
かもしれないが、得することはないかもしれない(「N」は
「名詞」のこと/nounの頭文字)。

被修飾語の後に修飾語が置かれることを「後置修飾」といったり
するが、名詞に対する形容詞的修飾要素の後置修飾のパターンの
ひとつが、
「N -ing(エヌアイエヌジー)構造」。
「N pp(エヌピーピー)構造」というのもあるだろうし、
「N to-(エヌトゥー)構造」というのもあるだろうし、
「N K(エヌケー)構造」もあるだろう。
(「K」は「形容詞」のつもり/keiyoushiの頭文字)

(あなたのこころの声)
『まてよ、1.1.1の例文のThe freshness [ of...も、
名詞に対する修飾要素の後置修飾だが、
これに呼び名をつけるとしたら、、、どうするのだ。。。』

「NZN(エヌゼットン)構造」と呼べばいいではないか。
なお、「ZN(ゼットン)」とは、
「前置詞(zenchishi)+名詞(noun)」のことである。
(初代ウルトラマンにでてくる同名の怪獣を思い出すと覚え
やすいかもしれない)

いくらなんでもこんな文法用語はふざけすぎだ、と抵抗を感じる
ようであれば、
「N分詞構造」
「N不定詞構造」
「N形容詞構造」(N形容詞節構造もある/<N+関係詞節>)
「N前置詞句構造」
などと呼ぶのもいいかもしれない。
呼ばなくてもいいけど。。。
こんなのは、必須でもなんでもない趣味的用語にすぎない。

あと、付け加えておくと、
N,N構造(同格)
N 名詞節構造(同格) も、
「名詞に対する後置修飾」の一例といえばそうかもしれない。


<お詫びと訂正>

ミスがあったことに気付いたので訂正。すぐ上のところで
「N,名詞節構造(同格)」と書いていたのだけど、
「名詞の後に同格名詞節を置くときは間にコンマは打たない」
のが実際であるから、コンマを消しておいた。「同格名詞節の前
にコンマを打つ人はいないのか」と言われると、私の英語力では
「ほとんどいないのではないだろうか」位のことしか言えない。
『解釈教室』49ページの例文3.3.4 の<...this, that SV> が
気になるといえばなる(これを同格の一種とみなすかどうかも、
意見がわかれるかもしれないけど)。

今回のミス訂正のお知らせを書きはじめてから少しして、
「やばい」と感じた。なぜやばいと思ったのかというと、
「N 名詞節構造(同格)」のコンマに言及してしまうからには、
「N,N構造」の「コンマがないケース」についても言及する必要が
生じてしまったと感じたからである。これについては、きちんと
整理しようとしたことがこれまでなく、自信を持って何かを言う
ことはできないが、President Kennedy(ケネディ大統領)とか
Uncle Tom(トムおじさん)などの「役割をあらわす名詞+
固有名詞」の場合、コンマをうたない<NN>の形で同格と
なるようである(なお、固有名詞の前の役割名詞は、原則
<無冠詞>、らしい)。いや、同格なのかどうかも、意見が
別れるかも。左側の名詞を「名詞の形容詞用法」と考えること
も可能かもしれない気がしてきたが、よくわからない(「同格」
「名詞の形容詞用法」それぞれについて、左右の名詞の関係性を
吟味すべきところなのだろうけど、その気力がない)。

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