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元予備校講師のフリーターによる『英文解釈教室』教室

『英文解釈教室』(伊藤和夫先生/研究社)の解説ブログ。当ブログはゼロから理詰めで解説を積み上げて行くスタイルではないので、英文法や英語構文の勉強をある程度以上やっている方でないと、訳がわからないかも。

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★ Chapter2:例文2.1.5  の巻

Our inability [to communicate (with...another) ]
makes real contact [between people
[[of...nationalities]] ] impossible.

名詞節(句) ・・・ 【 】
形容詞節(句)・・・ [ ]
副詞節(句) ・・・ (  )

(名詞が一番固そうな記号で、副詞が一番やわらかそうな記号)

伊藤先生によると、第5文型の動詞は、「考える/知る」
という意味あいのグループと、「生じさせる」という意味あいの
グループの2つに大別できるそうだ(前回までの例文が「考える
/知るグループ」で、今回の例文から「生じさせるグループ」に
入っている)。

なにか短い名詞表現を考えるとすると、いくつも候補はないと
思うけど、前者が「認識/思考/知覚」で、後者が「作用/影響
/使役」という感じかと思う。個人的には、「認識系[型/
グループ]」と「作用系[型/グループ]」と呼びたい気が
する。「知覚」「使役」という言葉を使わないのは、それだと
少し意味がせまいというか特定されすぎている感じがするから。

第5文型の動詞が「認識系」と「作用系」(『解釈教室』に
忠実にいくなら「考える/知るグループ」と「生じさせる
グループ」)に大別できる、ということを知ったところで
あまりメリットはないかもしれないけど、少し得をした気分
にはなれる。しいてメリットを挙げるなら、「動詞の後で
ネクサスが成立しているので、第5文型の動詞だと思われるの
だが、知らない単語なので動詞の意味がわからない」という場合
に、「認識系」か「作用系」のどちらかだと分かっていれば、
当たらずとも遠からずの訳ができるかもしれない、という
メリットがあるかもしれない。もっとも、理屈からすると
そういうメリットが考えられるというだけで、実際には「おかげ
で助かったあ!!」ということはまれにしか起きない気がする。

今回の例文で、第5文型なのは、主節の述語動詞である
makes(「作用系」/「生じさせるグループ」)。動詞の後で
「real contact<が>impossible」というネクサスが成立
している。今回はOとCの間に修飾要素が割り込んで、「VOMC
(ブイオーエムシー)構造」になっているので、難度が高まって
いる。この「VOMC構造」は、頻出すると同時に見抜けない人が
多いと思われる重要構造で、p.31からはじまるセクション3での
テーマになっている。自力で「VOMC構造」の構文把握ができる
確率を上げるには、「ふだん第5文型で使われることのある動詞
を目にしたら、『もしかしてVOMC構造かも』と警戒する」という
癖をつけるといいかもしれない(なかなかそうもいかない
だろし、やや非現実的アドバイスかも)。あとは、「VOMC構造」
という言葉を何度も唱えておくと、おそらく、「VOMC構造」を
見抜ける確率は高まるだろう。

Our inability to-の所は、『解釈教室』p.156で解説されている
「名詞構文」。「名詞構文」を扱う参考書や文法書は多いけど
も、伊藤先生のように「名詞構文における、S´とO´の表記法」
を明記してあるものは見かけない(私の知る範囲では)。
「名詞構文における、S´とO´の表記法」とは、
「S´…所有格・of・by / O´…所有格・of・for etc.」という
まとめの部分のこと。この違いは「決定的な差」なのであって、
このまとめがない限り、どんなに詳しく解説してあったとして
も、「方法論」ではなく「結果論」であるから、読者が自分で
名詞構文を分析できるようになる確率は低い。一方、
「(エスダッシュ)しょゆうかくオブバイ。(オーダッシュ)
しょゆうかくオブフォー。」と唱えて暗記した上で(小括弧の中
は省略していい)、『解釈教室』p.156以降の解説を読むと、
名詞構文の解釈を自分でできるようになる確率は高いだろう。


追記

実際のところ、「名詞構文」は「必須の知識」とまではいいがた
く、あまり深刻になることもないと思う。名詞構文の例文を
見せられても、「こんなのべつに直訳でもいいじゃねえか!!」
と感じるケースもけっこうあるのが実情なのだが、英語を読んで
いて「ああ、これは名詞構文だな」と自力で気付き頭の中で
名詞構文を文に変換することができると「すこし面白い」ので
がんばってほしい。



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ただし、英文については『英文解釈教室』(研究社)よりの引用


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