FC2ブログ

元予備校講師のフリーターによる『英文解釈教室』教室

『英文解釈教室』(伊藤和夫先生/研究社)の解説ブログ。当ブログはゼロから理詰めで解説を積み上げて行くスタイルではないので、英文法や英語構文の勉強をある程度以上やっている方でないと、訳がわからないかも。

2019-08<<123456789101112131415161718192021222324252627282930>>2019-10

★ Chapter1:例文1.1.3 の巻

<1.1.3>
One...morning, a great many years ago,
five or six young men met...

One fine spring morning は、名詞のくせに、主節の動詞に
かかる副詞の働きをしている。このような名詞について、
『解釈教室』の解説の中で「副詞的目的格」という文法用語が
紹介されているが、むずかしそうだと感じる人が多い用語かも
しれない。「副詞的」という部分は「副詞のような働きをする
から」ということでわかりやすいが、「目的格」と呼ぶのはなぜ
か。真相は知らないが、「理論上想定される目に見えない前置詞
の目的語の位置にいる名詞なのだから、理論上この名詞は目的格
のはずだ」という考えからのことだと思う。『解釈教室』の112
ページに、副詞的目的格の簡潔な例文があるので見ておくといい
だろう(同書2ページの「→6-4」という指示は少しわかりにくい
と思うけど、112ページのChapter6の(4)を指している)。

なお、この用法の名詞を説明するときに、「副詞的目的格」とい
う文法用語は使わずに、「名詞の副詞(的)用法」という用語を
使う人も多いと思う。この呼び方をしておくと、「名詞の形容詞
用法」(<population growth 人口増加>のpopulationが一例。
名詞のくせに、後ろの名詞を修飾している。)という文法用語と
のつりあいもいいし。私自身はどちらの用語も授業中に説明する
ようにしていたけど、ふだんは「名詞の副詞用法」と呼ぶことが
多かったと思う。

さて、Chatper1の3つ目の例文となるこの位置にこの英文を
載せた筆者伊藤先生の意図はいかに。
あなたはこう思われたかもしれない。
「おかしい、、、おかしいぞ。このChapter1の(1)と(2)では
(わかりにくくても、こういう書き方しかできないのは、「わか
りやすい呼び名がないから」。「セクション1」とか「第2部」
とか、「呼び名」があった方がなにかと便利。)、S...V(「エス
てんてんてんブイ」だと呼びにくいから「エスエムブイ」と呼ぶ
ことをすすめたい)がテーマのはずなのに、なぜこの位置にいき
なりMSV構造(詳細にはMMSV構造)の例文を置いたのだろう。。。
なぜだ。。。」

この位置にこのMSV構造の例文を置いた理由は
おそらく以下のようなことであると思う。
(「もったいつけて書くまでもないほど明白なことだ」
といわれれば、そのとおりなんだけど)

『解釈教室』2ページの冒頭の太字部分で、伊藤先生は、
「文頭の前置詞のついていない名詞を主語と暫定(ざんてい)
判断した上で動詞を探していく」ことを英文解釈の基本方針とし
て説かれた。そして例文1.1.1と1.1.2で、「主語に関する文頭で
の暫定判断が正しいことになるケース」を扱った。そして、
そろそろこの辺りで、「主語に関する文頭での暫定判断が間違っ
ていることになるケース」を見せるべきだと思われたのだろう。
そこで使われたのが、このOne fine spring morningではじまる
例文だったのである。ここで、たとえばIn the houseのような、
前置詞ではじまる例文がくることはありえないのだ。なぜなら、
ここでの伊藤先生の意図は、決して「MSV構造の例文を読者に示す
こと」ではないのだから。あくまで、「文頭の名詞要素が実は
主語ではないことが後ではっきりする例文」を示す必要がある。
そのためには、<前置詞のついていない名詞>が文頭にある例文
でないと意味がないのだ。
スポンサーサイト



| HOME |